亀井静香の大臣記者会見録

金融庁のホームページに「大臣記者会見」というページがある。これは亀井静香大臣(以下亀井)の会見の記録をそのまま公開しているもので、(1)の記者クラブ向けと(2)のフリー向けに分かれている。
問題はその中身で、(1)の会見が大抵10分ちょっとで終わるのに対し、(2)は長いときで1時間以上行われている。そしてその質問や答弁の中身も(1)は新聞を読んでいるような無難なものであるのに対し、(2)は良くも悪くもバラエティーに富んでいる。

4月16日のフリー記者向け会見の内容
http://www.fsa.go.jp/common/conference/minister/2010a/20100416-2.html

亀井と鈴木宗男(以下宗男)は、マスコミにより不当に貶められている政治家の代表例と思う。共通するのは①人相が(比較的)悪い、②名門家系でなく財産もない田舎出身の政治家である、③ズバズバと辛らつな発言が多く敵が多い、④数々の汚職疑惑に見舞われる、等々。

そしてこの二人は「一度は死んだ」と思われたことでも共通している。亀井は自民党志帥会の領袖でありながら、離党時には兄以外派閥からは誰も国民新党には来ず、郵政選挙ではホリエモンをぶつけられた。宗男も有罪判決を乗り越え衆議院の議席を再び勝ち取った。現在の立場はかつてを思えば不足かもしれないが、その中でいかんない存在感を発揮している。

宗男については別の機会に述べるとして、この記者会見、特に(2)のフリー記者向けの会見では亀井の根底にある思想がよく出ていて興味深い。


(以下上記記者会見より引用)
「(ただ、)その(郵政改革に関するアンケートの回答)中に、正社員化反対の数字が80%を超えている。それを得意気に載っけている。どういう調査方法をしたのか分からないのですけれども、これは、ちゃんとした調査でそういう数字が出ているとすれば、もう日本はおしまいだと思いましたね、本当に。

だって、同じ仕事をしていて給料は3分の1ぐらいで、福祉厚生設備から何から、極端な差別を受けている人たちを正社員にすることに、今の国民の方の反対が80%を超えると。「人が幸せになることは嫌だ」という話でしょう。昔から、「隣に倉が建つと腹が立つ」という言葉がありますけれども、ここまで来てしまっているのですね。だから、私は、それだけで逆にファイトが出てきます。余計ね。
(引用終わり)


かつてスチュワーデスの契約社員導入に反対し、またゲバラに傾倒する亀井の思想の一端がよく表れている。しかし、その一方で、正確な知識に基づき記者へ反駁を加えることもある。


(以下上記会見より引用)
問) 農林中央金庫は、すごく運用がうまいと…。

答) うまくないです。サブプライムで大損して…。

問) それはありましたけれども、うまいことやっていた会社ではあるわけです。

答) そんなことはないですよ。
(引用終わり)


この質問者は、理事長が損失の責任をとって引責辞任した農中のどこを見て「すごく運用がうまい」などと述べたのだろうか。この記者会見に出席している中では名前が通っているコンサル系の人間だが、この認識を読むと仕事をオファーしようという気が失せる。一方亀井の反駁に迷いはない。

紹介したい発言は多々あるが、詳細は金融庁ホームページを見ていただきたい。この会見録を読んでいると、新聞がずいぶんつまらないものに見えてくる。

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